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補聴器Q&A・よくある質問 |
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リニア、ノンリニアって何ですか? |
聴力と使用環境に応じ、増幅の方式を選択します。 |
耳がキャッチすることができる守備範囲 耳は聞こえる音の大きさ(音量)と高さ(周波数)の幅を持っています。人間の耳では20Hz〜20,000Hz程度の周波数を聞き取ることができると言われますが、この周波数もそれぞれどのくらいの大きさから聞こえて、これ以上大きくなるとうるさいといった守備範囲があります。 「聴力が低下すると、小さい音が聞こえない」。これはとても分かりやすいのですが、では大きな音はどうでしょう。「聞こえづらくなっているのだから、今までよりもっと大きな音でも大丈夫なのでは?」 難聴の種類によって耳の守備範囲が変わる 音の情報を集め伝える箇所のトラブルが原因となる「伝音性難聴」の場合、その聞こえ方は聴力の形にもよりますが、耳あなをふさいだような音が伝わりにくい状態になります。そのため「小さい音は聞こえづらく、大きな音は今までより大きくなっても大丈夫」と言えます。 一方音の信号を受け止める箇所のトラブルによる「感音性難聴」の場合には「小さい音は聞こえづらく、大きな音はいままでよりもうるさく感じる」といったケースが生じてきます。 この原因は内耳の働きにあります。内耳は騒がしい場所では感度を下げ、聞きたい音については感度を上げるといったように環境や状況に応じ、耳の感度を調整しています。難聴によりこの感度調整がうまくいかなくなると、小さい音が聞こえにくく、大きな音も苦手という問題が生じ、これを補充現象(リクルートメント)と呼びます。 伝音性難聴が広い守備範囲を持っているのに対し、補充現象をともなう感音性難聴ではこの守備範囲がかなり狭くなってしまいます。 耳の守備範囲により適した補聴器の増幅方法も変わる 耳の守備範囲が広い伝音性難聴では、聞こえにくくなっている分の音を大きくし、小さな音であっても大きな音であっても、同じように音を大きくしてあげることで、適切な効果を得ることができます。こうした増幅の仕方を「リニア増幅」と呼びます。 一方守備範囲が狭くなってしまっているケースでは、リニア増幅を行うと小さい音は良いものの、音が大きくなると耳に入る音が守備範囲を越えてしまいます。こうした場合には音の大きさにより、「小さい音は大きく増幅」、「大きな音はあまり増幅しない」というような方法が必要になります。こうした増幅方法を「ノンリニア増幅」と呼びます。 リニア増幅 リニアとは「比例」を意味しますが、補聴器のリニア増幅方式は、小さい音がする時も、大きな音がしている場合も同様に、設定した値を増幅する方式です。
()内の数字は説明のためのもので、音圧や聴力レベルとは異なります。 この方式は古くから補聴器に取り入れられており、音量の変化が明瞭で言葉の抑揚やアクセントがつかみやすい、高い出力が出しやすい、電気回路がシンプルといったメリットがあります。 しかし聴力によっては、80という音では聞こえず、150という音ではうるさいというケースも出てきます。こういった場合、その都度ボリューム調整を行う、又は別の出力制限装置を用意する必要が出てきます。 ノンリニア増幅 一方ノンリニア増幅では一定の増幅をするのではなく、入ってくる音に応じ増幅量を変化させるという特徴を持っています。
()内の数字は説明のためのもので、音圧や聴力レベルとは異なります。 増幅量の調整は、マイクが感知した音の大きさで入力音を抑えるAGC-I、アンプが増幅した音を設定値までに抑えるAGC-Oの二つの方法がありますが、歪みが少ない自然な音が得られ、初めて補聴器を装用する方や、耳の守備範囲(ダイナミックレンジ)が狭い場合には大変効果的です。 デメリットとしてはリニアタイプの補聴器に慣れている方には物足りない、設定によっては言葉が不明瞭になったり、意図しない音まで増幅してしまうという面があります。 デジタル補聴器はどちらのタイプ? これらの増幅方法は、どちらが優れているというのではなく、聴力や使用環境によって選択、もしくは組み合わせて利用することが求められます。 現在広く利用されるようになったデジタル補聴器は、多様な信号処理ができるメリットを活かし、リニア・ノンリニアの増幅方法やノンリニア増幅での変化の付け方を、音の高さ(周波数)によって変えたり、環境に応じて変化させるといったように、耳の状態や使用する環境への適応性を高めていることが特徴です。 |
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