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補聴器Q&A・よくある質問

タイトル
 

補聴器の調整とは?

補聴器を聴力、使用環境に適合させることで、補聴器は本来の能力を発揮します。

聴力測定から補うべき周波数を知る

補聴器は様々な聴力に対応するよう、現在数百種類の機種が発売されています。この中から、聴力や使用環境、予算に合わせた機種を選択することが補聴器利用の第一歩となりますが、次に重要となるのが補聴器の調整。

現在補聴器の調整にはコンピューターが広く利用されるようになりました。聴力測定により得られた結果をコンピューターの補聴器調整ソフトウェア(フィッティングソフト)に入力すると、聴力に応じた標準の設定が計算されます。

聴力測定では125Hzから8kHzまで、測定方法にもよりますが、7つから11程度の周波数について聞こえ方を測定します。聴力測定で得られる「周波数により聞くことができる最も小さい音の大きさ」から、それぞれの周波数にどれくらいの音を増幅し補うかが検討されます。

音の周波数によるグループ「チャンネル」

この結果を元に補聴器の調整設定を行いますが、周波数をいくつかの固まりに分け、それぞれに調整を行うためのグループ化をした上で、その内容を決定していきます。このグループは「チャンネル」や「バンド」と呼ばれ、いくつのグループに分かれているかを「チャンネル数」、「バンド数」と呼びます。

例えば3チャンネルの補聴器であれば、低い周波数、中くらいの周波数、高い周波数というように3つのグループに分け、それぞれ調整することができるという意味になります。

調整例1

周波数

30

30

30

上の表は、周波数を3つのグループに分けています(3チャンネル)。低〜高それぞれの周波数のグループに、同じだけの増幅量を与える調整内容になります。低い周波数から高い周波数まで、均一に聴力が低下している際には、上のような調整が求められます。

調整例2

周波数

5

10

30

低〜中くらいの周波数は比較的聞こえるけれど高い周波数の音が聞こえづらい。そうした聴力では、周波数により増幅量を変化させる必要があります。調整例2では、調整例1に対し高い周波数の増幅量は変わりませんが、低、中域の周波数では、聴力に応じ増幅量を小さく設定しています。

耳の守備範囲に合わせる調整「コンプレッション」

調整例1、2のように、聴力測定の結果によりそれぞれのチャンネルでは増幅量が設定されますが、これは小さい音を聞こえる範囲にするためには大変効果的な反面、大きな音が補聴器に入力された時には、大変うるさく聞こえてしまうことも。

聴力が低下し、小さい音が聞こえづらくなるとともに、難聴の状態や程度によっては、大きな音にとても敏感となることがあります。これは「内耳」が行っている耳の感度調整機能がうまく働かなくなることが原因です。

こうした聞こえの場合、小さな音でも大きな音でも同じように増幅を行うと、音は聞こえるけれどとてもうるさい、大きな音が頭に響いてしまうということも。

一方内耳の感度調整がしっかりと働いている場合には、小さい音も大きな音も同じように増幅させることで、アクセントが明瞭で本来の聞こえと同様メリハリのある音が得られます。

現在のデジタル補聴器では、入力される音の大きさにより、増幅量を細かく設定することができるようになりました。こうした補聴器の働きを「コンプレッション(圧縮)」と呼びます。

調整例3

周波数

30

30

30

30

30

30

30

30

30

調整例3の表は、調整例1、2と同様、周波数(低・中・高)を横軸にしていますが、縦軸には補聴器のマイクに入力される音の大きさ(小・中・大)が加えられ、「小さい音が入力された時の低い周波数での増幅量」といった具合に、それぞれの増幅量を示しています。

この表では小さい音がマイクに入力された時にも、大きな音が入力された時にも、増幅の量は変わらず、実際には調整例1と同様の調整内容になります。

調整例4

周波数

5

10

30

5

10

30

5

10

30

調整例4では、周波数により補聴器の増幅量を変えた調整になりますが、「マイクに入力された音の大きさによる増幅量の差」は設定していませんので、調整例2と同じ調整内容となります。

調整例5

周波数

5

10

30

5

10

30

0

5

10

調整例4と比較すると、マイクに入力された音の大きさが「大」の時だけ、増幅量が少なくなるように調整されています。

これは会話など中くらいの音の大きさまでは、調整例2と同じように、聴力に応じた増幅を加えていますが、交通騒音や大きな声などでは、増幅量を抑える、もしくは増幅しないという内容になります。

調整例6

周波数

10

20

40

5

10

30

0

5

10

調整例6では調整例5に対し、入力される音が小さい時にはさらに増幅量を増やすといった調整内容になります。

また空調の音やコンピューターの動作音など、小さいけれど耳障りになりやすい雑音を抑えるも九滴で、調整例6とは反対に小さい入力音に対する増幅量を抑える場合もあります(調整例7)。

調整例7

周波数

0

0

10

5

10

30

0

5

10

上に示した調整例は説明のために簡略化していますが、それでも聴力や難聴の状態、程度、使用する環境に応じ、このような調整が必要となります。

前述した例は周波数と入力される音の大きさによる増幅量設定のみとなりますが、最大の出力音圧を別に設定するケース、補聴器に騒音を判断させてその効果を調整する場合、環境音に応じてマイクの動作を変える、プログラムを切り替えるなど、一人ひとりのケースにより様々な調整内容があります。

適切な調整を行い耳にあった補聴器とするために

補聴器は聴力、難聴の状態と程度、使用する環境などに応じ、調整を加えていくことで一人ひとりで異なる耳に合わせていくことができます。補聴器の機種を決める時にも「どのような調整が必要か」を考えての選択が必要であることがお分かりいただけるかと思います。

とは言え、「どの機種を買ってどう調整すれば」とご自身で知ることは困難。これを手伝い、一緒に最適な補聴器を用意するのが補聴器販売店の役目です。

補聴器購入の際には適切な機種決定が大切ですが、補聴器は買ったからといってその能力を十分に発揮することはできません。補聴器での新しい音への慣れ、使用環境への適合、聴力の変化といった要素に適応させていくため、調整は欠かせないステップ。これを行う上での手がかりが実際に使用した感想になります。

周波数

30

30

30

20

20

20

5

5

5

上の例では、低い周波数から高い周波数まで、同じように

この値は「オージオグラム」と呼ばれるグラフとして示されます。おおよその難聴の程度を知ることで、補聴器に必要とされる出力を知ることができます。

またこのグラフの傾き方、例えば右下がり、左下がり、山型、谷型など、様々な形態となりますが、この形によっても「高い音を強調した方が良い」

このでこぼこがなるべく平らになるよう、聞こえづらい場所は音を大きく、聞こえやすいところは余計に増幅し過ぎないよう、調整を行います。

聞こえ方が各周波数で均一になるよう利得調整を行ったら、次は最大出力制限を調整します。これは物が落ちる音やドアの閉まる音など突発的な大きな音が出た時に、設定した値以上に大きな音が出ないようにする装置。耳に「ビーン」と響く音を制限することで不快感を抑えると同時に耳を守ります。

この調整ではこれ以上音が大きくなると不快と感じる音量(UCL:不快閾値)までに最大音量を抑えます。実際の生活環境においては、測定結果だけでは見逃しやすい意外な音が、装用の上での不快感となっていることもあり、試聴時の感想もこの調整を行う上で重要な手がかりとなります。

上記2つの調整器はほとんどの補聴器に装備されていますが、最近ではより本来の聞こえに近付けるような回路を内蔵した機種が増えてきました。

静かな場所では注意をするとかすかな時計の音が聞こえてきます。反対に大変騒がしい場所では、最初はうるさく感じても、すぐに慣れてしまいます。これは内耳で耳の感度を調整しているためで、様々な環境に耳を適合させる上で、大変重要な役割となります。

聴力の低下は音が聞こえづらくなるだけではなく、時としてこの環境適応能力の低下を伴います。このため小さな音は聞こえづらいのに、音が大きくなるとすぐにうるさいと感じてしまいます(補充現象)。

これを解決するため開発されたのがノンリニア増幅タイプという補聴器で、音が小さい時には増幅の量を増やし、反対に音が大きい時には増幅の量を減らすといったように、環境に合わせて増幅する量を変化させるタイプの補聴器です。

ノンリニア補聴器では音が聞こえるもっとも小さい音量(HTL:最小可聴閾値)と、前述のUCLの間(ダイナミックレンジ)に、様々な大きさの音を詰め込むよう調整を行います。この調整では実際に補聴器を様々な環境下で使ってみないと、適切な調整は望めません。また補聴器を通しての音に耳が順応していく過程で、適宜変更を加える必要もあります。

補聴器はこうした様々な機能を持っていますが、これを活かすことができるかどうかは調整次第。また調整をする上で最も重要な情報となるのが、「どのような時には効果がある」、「こういう場合にはうまくない」といった使う方の装用感です。

補聴器の調整を依頼する時や、試聴期間中など、使っていて気になった点はメモに箇条書きをしてみて下さい。こうした情報を販売店に伝えることで、実際の使用に即した調整が可能となります。

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