
安い補聴器を購入しましたが、よく聞こえません。
どんなに安価な補聴器でも、必ず購入前に試聴を。
低価格の補聴器ってどんなもの?
比較的価格の手ごろな補聴器が、新聞広告などでも紹介され、家電販売店でも1万円、2万円といった価格の補聴器が販売されています。
メーカーや機種にもよりますが、こうした補聴器は軽度の難聴の方に向けて作られた製品が多く、難聴の初期段階では効果的に利用することができます。
こうした製品は、耳の型を取らずにイヤーチップと呼ばれる既製の耳せんが取り付けられ、家電製品と同じように購入し、自分で耳に合わせて利用することができます。
「安いから聞こえない」のではなく「耳にあった選択をしていない」ことが原因
ではなぜこうした補聴器がうまく使えないことがあるのか、それはご自身の聴力がその補聴器に適しているか分らないまま、購入しているからに他なりません。
耳の聞こえ方は一人ひとりで異なり、使う環境もそれぞれです。聴力、使用環境、装用スタイルなど条件とニーズに適応するよう、現在補聴器メーカー各社から数百種類の機種が発売されています。
聴力が中度難聴に近付いてくると、既成の耳せんを用いた機種では、ピーッというハウリング音が生じ、補聴器の効果を発揮できません。また増幅をしなければならないのに出力が足りない、低音は抑えたいのにその機能が無いといったケースにも、適切な効果は得られません。
質問のケースでは「安い補聴器だから良く聞こえない」ということではなく、「耳にあった補聴器を選択していない」ことが原因です。
自分の聞こえの状態を知り、ニーズに応じた機種を選ぶ
補聴器を購入される際、最も重要なことは「ご自身の聞こえやの状態やニーズに合った補聴器を選択する」こと。このためには聴力測定を行い、どんな補聴器がご自身に適しているのか、聴こえのデータと購入予定の補聴器が自分に合っているのかどうかを検討する必要があります。
きちんと耳にあったものであれば、価格が安い補聴器でも効果的にお使いいただける反面、いくら安いからといって、役に立たなければそれは補聴器ではありません。購入前に必ずご自宅や外出先など、実際に使用する場所で試聴をされることをお薦めします。
通信販売など購入の前に効果が確認できない場合には、試聴の結果自分の耳に合わなければ、返品ができるお店や業者を選ばれると良いでしょう。