
イヤーモールドってなんですか?
耳かけ式補聴器の能力を引き出す、力強いパートナー。
補聴器をお使いの際、最も困るのが「ピーッ」という雑音。 耳かけ型、ポケット型の補聴器では、ご自分にあったイヤーモールドの製作と補聴器の調整で、この問題を大きく改善することができます。
補聴器付属の耳せんでは...
耳かけ型補聴器には、軽度難聴での利用や試聴を目的として、いくつかのサイズが異なる「てるてる坊主」のような形をした耳せんが付属しています。
簡単に装用できるため、出力が小さく音漏れが少ないようなケース、試聴時に一時的に利用する場合には向いていますが、 中度・高度難聴で出力を上げなければならないケースでは、耳あなの十分な封鎖が得られず音もれが生じます。漏れ出した音を補聴器が再度増幅してしまうと「ピーッ」という雑音「ハウリング」が発生するため、十分な補聴効果が得られません。
軽度難聴の場合でも食事や会話など、あごを動かす時に耳せんが動き、耳あなとの隙間が生じると、同様にハウリングが生じることがあります。
ハウリングについてはこちらのページもご参照下さい。
- ピーッという雑音、ハウリングってなんですか?
イヤーモールドは音もれをしっかりガード
イヤーモールドは透明なプラスチック、やわらかいシリコン材料などを用い、耳の形に合わせ作られるオーダーメードの耳せんです。
ピーッという雑音(ハウリング)が多い方、補聴器が外れやすい方は、イヤーモールドの製作が大変効果的です。
イヤーモールドを作るには?
どのようなイヤーモールドを製作するかは、現在ご利用の補聴器のタイプとご自身の聴力により決定されます。
まず聴力測定、次に専用の型取り材料で耳あなの形を採取し、イヤーモールドの製作が始まります。聴力と耳あなの型をとる所要時間は、15~30分程、イヤーモールドの製作代金はプラスチック製のものがおよそ8,000円位、柔らかいシリコン製では12,000円程度が目安となります。
イヤーモールドの製作日数は7~10日。製作したイヤーモールドを補聴器にとりつけご試聴いただき、装用感とハウリング抑制効果を確認、必要に応じイヤーモールドの形態修正や補聴器の調整を行います。
これで完成となりますが、イヤーモールドお渡しの後もご要望やご不明な点がある場合には、相談、調整を行います。イヤーモールドは補聴器の大切なパートナーなのです。
1回目
- カウンセリング
- 聴力測定
- 耳型採取
2回目
- 装用感の確認
- 雑音発生の有無を確認
- 補聴器の調整
3回目
- 必要に応じイヤーモールドの修正・補聴器の調を行います。
イヤーモールドの種類
使用される材質により、イヤーモールドにはおおまかに下の3つのタイプがあります。
プラスチック製イヤーモールド
硬質レジンと呼ばれるプラスチックで製作されるイヤーモールドです。強度が高く、製作が簡単なことから、一般に広く利用されています。
聴力に応じて、ベント(通気孔)を設けることができ、形態も様々なタイプが製作可能です。
素材の硬さから、長時間の装用で痛みや疲労感が生じることがあります。
ソフトシリコン製イヤーモールド
硬質レジンの良さはそのままに、ソフトシリコン素材を活かした装用感の高いイヤーモールドです。
従来のシリコンイヤーモールドでは、耐久性が低い、ベントが設定できない、補聴器の装用安定性が低い、柔らかさが不十分といった問題がありましたが、各部を強固に固定する構造により、装用感と耐久性を両立しています。
須山補聴器では「フィットイヤー」として製作を行っており、全国の補聴器販売店にてお求めいただけます。
シリコンイヤーモールド
従来のシリコンイヤーモールドは、イヤーモールドにL型をしたシリコンチューブを通し、この先に金属製のはと目などを納めることで、チューブを抑えていましたが、強度的に不十分で、強度を確保しようとすると、使用する材料が硬くなってしまいます。
チューブがやわらかく、先端部のみで固定されているため、補聴器の安定装用というイヤーモールドの目的も十分に果たせないという問題があります。
ベントの設定も製造上の理由から設定することが難しく、適応できる聴力も高度、重度難聴に限られていました。
イヤーモールドはオーダーメードならではの装用感と雑音の少ない効率的な音声伝達、音質の調整、補聴器の脱落防止など、様々なメリットが得られます。
新規に補聴器を購入される際はもちろん、現在補聴器をご利用の方もイヤーモールドだけを製作することができますので、補聴器専門店などにご相談下さい。