
難聴になると声が大きくなるの?
耳は声の大きさや調子をコントロールしています。
自分の声を耳で確認しながら調整
「久しぶりに田舎の両親に会ったら、話し声がずいぶんと大きくなっていた。それに聞き返しが多く、聞こえが悪くなっているようだ。」このような場合、声が大きくなったことと、聴力が低下したことに関係があるのでしょうか?
ヘッドホンで音楽を聞きながら、それに合わせ歌を歌うと、周りの人から「音程が合っていない」と言われことがありますが、これは自分の声がしっかり確認できず、音楽にあわせることができないために起こります。また音楽をとめ、ヘッドホンをかけたまま話をすると、相手から「声が大きいよ」と顔をしかめられるかも知れません。
人は話をする時、自分の発する声を自分の耳で聞き、声の大きさや調子を整えています。これは普段意識せずに行っていますが、それだけに聴力が低下したときには、知らず知らずそれを補うだけ自分の声を大きくしていきます。また発音や話の抑揚が変わるという場合もあるようです。
上に挙げた例のようなヘッドホンによる聴力の低下は一時的、かつ急激に起こりますので、本人や周りの方もその変化にすぐ気が付きますが、年令とともに生じる聴力低下が原因の場合には、話し声の変化も毎日一緒に過ごしていては気が付かない程ゆっくりと現れます。
久しぶりに会った方から「声が大きくなった」と言われた時は、聴力が低下してきているのかも知れません。
声が大きくなる可能性
こうした難聴と声の大きさにも例外があります。音を伝える部分のトラブルによる難聴(伝音性難聴)では、骨を伝わった自分の声を、音を感じる「内耳」で直接受けるため、聴力の低下があってもご自身の声にはそれほど変化が起こりません。
また声の大きさは話をする環境によっても変わります。例えば車の通りの多い場所で話をするには大きな声に、静かな部屋の中では自然と小さな声になります。
声の大きさだけで聞こえが悪くなっているとは言えませんが、もしそう感じた、声が大きくなったと言われたら、耳の状態を確認する機会にしてみてはいかがでしょうか。